飲食店の外国人採用で最初に押さえること(2026年の前提)

2026年は制度変更の影響が大きく、従来の採用の常識がそのまま通用しない場面が増えます。最初にやるべきは、求人を出すことではなく、任せたい仕事と採用ルートを現実に合わせて組み直すことです。

外国人採用は、店舗の人手不足を埋める手段である一方、在留資格に合わない仕事を任せると違法就労になり得ます。採用担当者が守るべき優先順位は、応募を集めることよりも、合法に働ける枠の中で業務を再設計することです。

2026年は特定技能「外食業」1号の新規受け入れ停止の影響で、海外から呼ぶ、留学生をフルタイムへ切り替える、といった計画が止まりやすくなります。結果として、国内在住者中心の採用へ発想転換できるかが、採用スピードとコンプライアンスを分けます。

まずは店舗側で、ホール、調理、洗い場、発注、数値管理、スタッフ教育、翻訳通訳などを分解し、どの業務をどの雇用形態で任せたいかを棚卸ししましょう。この整理ができると、使える在留資格が自然に絞り込め、無駄な応募対応や不許可リスクを大幅に減らせます。

担当させたい業務と雇用形態で、使える在留資格が変わる

飲食店の仕事は一見同じに見えても、在留資格の審査では大きく分けて現場中心の業務と、運営や専門性を伴う業務に分かれます。ホールや調理補助、洗い場などは単純労働と見なされやすく、就労系の在留資格では原則として中心業務にできません。

一方で、店舗運営、本部業務、企画、マネジメント補助、通訳を伴う顧客対応など、説明可能な職務であれば就労系の在留資格に適合しやすくなります。重要なのは、肩書きではなく実態の仕事内容で、日々の勤務時間の大半が何かで判断される点です。

雇用形態も同様に重要です。留学生などはアルバイトが前提で時間制限がありますし、特定技能は直接雇用やフルタイムなどの要件が絡みます。採用前に、正社員にしたいのか、繁忙時間帯の戦力が欲しいのか、派遣を想定しているのかを決め、業務範囲とセットで整合させるのが失敗しない進め方です。

特定技能「外食業」1号は新規受け入れが原則停止中(2026年4月13日〜)

2026年4月13日以降、特定技能「外食業」1号は新規の受け入れが原則停止しています。外食業分野は5年間の受入れ見込み数(受入れ上限5万人)に達する見込みとなったため、出入国在留管理庁が申請の受付を止めたものです。

止まったのは次の2つです。海外から新たに呼ぶための在留資格認定証明書の交付申請と、留学や技能実習など他の在留資格から外食業の特定技能1号への変更許可申請です。つまり「試験に合格した留学生を卒業後に特定技能でフルタイム化する」という、飲食店で最も使われてきたルートが使えません。

一方で、すでに外食業の特定技能1号で在留している人の転職(勤務先変更に伴う申請)は通常どおり審査されます。技能実習(医療・福祉施設給食製造作業)の修了者や、外食業分野の特定活動(特定技能1号移行準備)の許可をすでに受けている人からの移行申請も、上限の範囲内で順次許可されます。在留期間の更新は在留者数に影響しないため通常どおりで、特定技能2号は受入れ見込み数の対象外です。今いるスタッフを手放さないこと、2号への移行を検討することが、停止下での現実的な打ち手になります。

なお、この停止は制度の廃止ではなく、受入れ枠の管理によるものです。再開時期や運用は今後変わる可能性があるため、採用計画を立てる際は入管庁「特定技能(外食業)」の最新情報を必ず確認してください(本記事は2026年9月時点の情報です)。

停止後に現実的な3つのルート(留学生アルバイト/身分系/国内在住の就労資格者)

停止後に現実的な採用ルートは、国内で既に在留している人材に軸足を置くことです。特に、就労制限が比較的整理しやすい層から優先的に採用を組むと、立ち上がりが早くなります。

一つ目は留学生アルバイトです。時間制限はありますが、採用母集団を作りやすく、育成しながら適性を見られるため、現場での失敗が少なくなります。二つ目は身分に基づく在留資格で、就労制限が原則なく、正社員・フルタイムの現場戦力として設計しやすいのが強みです。三つ目は国内在住の就労資格者の転職採用で、店舗運営や通訳など職務を設計できれば戦力化が早い反面、仕事内容の作り込みが甘いとミスマッチが起きます。

任せたい業務から採用ルートを決める 2026年9月時点。特定技能「外食業」1号の新規受け入れ停止を踏まえた判断フロー 任せたい業務は? まず業務を分解する ホール・調理・洗い場 現場業務 本部・複数店舗の管理 現場に入らない管理・通訳 専門料理の調理 熟練の調理師 採用できる ◯ 身分に基づく在留資格 永住者・配偶者等・定住者 正社員・フルタイム可 ◯ 留学生等の資格外活動 週28時間以内・アルバイト △ 特定技能「外食業」 在留中1号の転職のみ 新規取得は停止中 採用できる ◯ 技術・人文知識・国際業務 スーパーバイザー 本部の企画・人事 通訳・多言語対応 「店長候補」は不可 自ら調理・接客に従事する 働き方は認められない 採用できる ◯ 技能 外国料理の調理師 実務経験10年以上 (タイ料理は5年) 証明書類がカギ 在職証明が揃うか 内定前に要確認 共通:採用前に在留カードで「在留資格・在留期限・就労制限の有無」を確認 留学生は裏面の資格外活動許可も確認する
任せたい業務から採用ルートを決める判断フロー

この3ルートは併用が基本です。たとえば、ピーク時間帯は留学生、コア時間帯と責任業務は身分系、運営と多言語対応は就労資格者、と役割を分けると、合法性と店舗運営の両方が安定します。

採用前に確認すべき在留カードと就労可否

外国人採用の最重要ポイントは、就労できる在留資格か、そして許可された範囲で働かせるかの確認です。在留カードの確認を属人化させず、誰でも同じ判断ができる手順にします。

採用時のトラブルの多くは、悪意のある偽造よりも、企業側の確認不足や解釈ミスから起きます。面接での会話が良好でも、書類上の要件を満たさなければ雇用できないため、確認は最初の工程に置くべきです。

在留カード確認は、見て終わりではなく、記録して更新管理までつなげるのが実務です。採用時にコピーを取っても、在留期限が切れれば就労できなくなるため、期限アラートや台帳管理をセットにします。

また、留学生などは資格外活動許可の有無で就労可否が真逆になります。面接担当者が裏面を見落として採用し、シフトに入れてしまうのが典型的な事故なので、チェック項目を固定化して現場に落とし込みましょう。

在留カードで見る3点(在留資格・在留期限・就労制限の有無)

在留カードの確認は、在留資格、在留期限、就労制限の有無の3点に絞ると抜け漏れが減ります。在留資格はその人が日本で何を目的に滞在しているかで、飲食店で働けるかどうかの前提になります。

在留期限は、採用の可否だけでなく、採用後の運用に直結します。期限が近い場合は、更新予定や手続き状況を確認し、更新中の扱いを社内ルールとして決めておくと現場が混乱しません。

就労制限の有無は、就労不可、制限あり、制限なしといった形で読み取ります。制限ありの場合は、何が許可されているかを別途確認し、職務内容と勤務時間が許可の枠内に収まるかまで判断することが重要です。

資格外活動許可の確認(カード裏面・許可書)

留学や家族滞在などは、資格外活動許可がなければ原則として働けません。確認すべき場所は在留カードの裏面で、許可の有無と内容を必ず見ます。

許可があっても、週28時間以内などの上限があるため、シフト設計と連動させる必要があります。掛け持ちがある場合は合算で超えると違法就労になるため、本人の自己申告を前提にしつつ、申告書の提出や定期的な確認で運用を固めます。

カード裏面の記載だけで判断が難しい場合は、本人が保有する許可書類と突合し、曖昧なまま就労させないのが安全です。早く働いてほしい現場の圧に負けないために、就労開始の条件を社内で統一しておきましょう。

偽造・失効の確認方法(入管庁の失効情報照会・ICチップ読取アプリ)

在留カードは見た目だけでは真偽を判断しにくいため、確認手段を複線化します。入管庁の在留カード等番号失効情報照会は、カードが失効していないかの確認に役立ち、採用時フローに組み込みやすい方法です。

加えて、ICチップ読取に対応したアプリを使うと、券面情報とIC情報の整合を確認できます。店舗単位で対応が難しければ、本部や採用担当がまとめてチェックする運用でも構いません。

コピーを保管する場合は、個人情報として管理し、閲覧権限や保管期間を決めておくことが大切です。確認を強化するほど情報は集まるので、管理が甘いと別のリスクが生まれる点も忘れないでください。

飲食店で雇用できる在留資格の全体像

飲食店で外国人を採用するとき、最初に決めるべきは「誰を採るか」ではなく「どの業務を、どの在留資格の人に任せるか」です。同じホール業務でも、在留資格によって任せられるかどうかが変わります。

出入国在留管理庁は「飲食店において外国人が就労する場合の在留資格について」という資料で、調理業務・接客業務・店舗管理業務のそれぞれについて、どの在留資格なら従事できるかを整理しています。まずはこの対応関係を押さえるのが近道です。

表① 業務×在留資格 可否マトリクス(飲食店)
業務身分に基づく
在留資格
資格外活動
(留学生等)
特定技能
「外食業」
技能
(調理師)
技術・人文知識
・国際業務
ホール・接客××
調理・仕込み
(熟練調理)
×
洗い場・清掃××
店舗管理
(店長)

(時間制限内)
×
(現場に入らない
場合のみ)
本部業務
企画・人事

(時間制限内)
××
通訳・翻訳
(時間制限内)
××
雇用形態制限なしアルバイト
週28時間以内
フルタイム
直接雇用のみ
フルタイムフルタイム
新規採用の
可否(2026年9月)
在留中1号の
転職のみ

表のとおり、現場業務(調理・接客)を任せられるのは、身分に基づく在留資格、資格外活動許可(留学生等)、特定技能、技能の4つです。技術・人文知識・国際業務(技人国)は現場業務が中心の働き方には使えません。ここを取り違えると、採用後に業務を切り替えられず、在留資格の更新で行き詰まります。

以下、それぞれの在留資格について、制度上どうなっているかと、実際の採用でどう判断されるかを分けて見ていきます。

身分に基づく在留資格(永住者・日本人の配偶者等・定住者)=就労制限なし

永住者、日本人の配偶者等、定住者などは、原則として就労制限がありません。飲食店側から見ると、ホールや調理を含む現場業務を正社員で任せやすく、最も設計がシンプルな層です。

ただし就労制限がないことと、在留管理が不要であることは別です。在留期限がある資格もあり、更新漏れが起きれば就労できなくなるため、期限管理は必須です。

採用時は、在留資格の種類と在留期限を確認し、更新時期が近い場合の勤務継続ルールを決めておくと、店舗運営が止まりません。

留学生・家族滞在の資格外活動(アルバイト・週28時間以内)

留学生や家族滞在の外国人は、資格外活動許可を得ることでアルバイトができます。上限は1週について28時間以内です。入管庁の審査実務では、特定の曜日を起算日に固定するのではなく、どの7日間を切り取っても28時間を超えないことが求められるため、月曜起算では収まっていても別の7日間で超えている、というシフトは避ける必要があります。

複数の勤務先で働いている場合は合算されます。自店では週20時間でも、他店で週12時間働いていれば超過です。本人の申告だけに頼らず、面接時に掛け持ちの有無と時間数を必ず確認し、採用後もシフト作成時にチェックする運用が必要です。

制度上の注意点として、長期休業期間の特例があるのは「留学」だけです。家族滞在には特例がなく、夏休みや冬休みであっても週28時間以内が上限のままです。同じアルバイトでも在留資格が違えば扱いが変わるため、在留カードの在留資格欄を確認してからシフトを組んでください。

なお、資格外活動はあくまで本来の活動(学業・家族との同居)を妨げない範囲での就労です。フルタイムの戦力として設計することはできないため、店舗としてはピーク時間帯の要員として位置づけ、コア業務は別の在留資格の人材で組むのが現実的です。

技術・人文知識・国際業務(本部・複数店舗の管理・通訳)|「店長候補」での採用は要注意

技術・人文知識・国際業務(技人国)は、大学等で学んだ専門知識や語学力を活かす業務のための在留資格です。飲食業では、本部での企画・マーケティング・人事、複数店舗を統括するスーパーバイザー、外国語を使う顧客対応や通訳などが該当します。

制度上は、店舗管理業務(店舗の運営、従業員の指導等)も技人国の活動として認められる余地があります。ただし入管庁「飲食店において外国人が就労する場合の在留資格について」(PDF)には、店舗管理業務に従事する場合について「自らが調理業務・接客業務に従事することは認められません」と明記されています。

ここが実務で最も誤解されるところです。「店長候補」という肩書きで採用しても、実態としてホールに立ち、厨房に入るのであれば認められません。飲食店の店長は現場に入るのが通常なので、一般的な意味での「店長候補」を技人国で採用することはできない、と考えるべきです。審査で見られるのは肩書きではなく、日々の勤務時間の大半を何に使っているかです。

したがって技人国で採用できるのは、自ら現場業務に入らない管理職に限られます。たとえば複数店舗を巡回して数値管理・労務管理・スタッフ教育を行うスーパーバイザー、本部でメニュー開発や販促を担当する社員、インバウンド対応で通訳・翻訳を主業務とする社員などです。募集時点で職務内容を具体的に定義し、職務記述書として残しておくと、申請時にも採用後にも説明できます。

例外として、採用当初の一定期間に限り、日本人の大卒社員と同様の実地研修として現場業務に従事することは認められています。ただし研修が在留期間の大半を占めるような場合は、本来の活動を行っていないと判断されます。研修期間と、その後に就く業務をあらかじめ設計しておくことが前提です。

技能(外国料理の調理師・実務経験10年など)

在留資格「技能」は、外国特有の料理の調理師など、熟練した技能を要する業務のための在留資格です。中華料理、インド料理、タイ料理、フランス料理などの専門店で、中核となる調理人材を採用する場合に使います。

要件として、原則10年以上の実務経験が必要です。この10年には、外国の教育機関で当該料理の調理や食品の製造に係る科目を専攻した期間を含めることができます。調理師学校を卒業している候補者であれば、その在学期間を算入できるため、実務年数だけを見て諦めないことが重要です。

例外として、タイ料理人については日タイ経済連携協定(EPA)に基づき、実務経験5年で許可される特例があります。ただしタイ政府の技能認定などの追加要件があり、また他の国の料理には同様の特例はありません。インド料理やベトナム料理などは原則どおり10年が必要です。

採用実務で最大の壁になるのは、実務経験の証明です。過去の勤務先が発行する在職証明書などが必要になりますが、廃業や記録の不備で揃わないケースが少なくありません。内定を出す前に、どの書類が用意できるかを本人と確認してから進めてください。

なお、技能で採用した人材に調理補助や洗い場、清掃を主業務として任せることはできません。求めているのが熟練調理師なのか、現場の人手なのかを分けて考える必要があります。

特定技能「外食業」(在留中の1号の転職・2号)

特定技能「外食業」は、飲食物の調理、接客、店舗管理といった外食業務の全般に従事できる在留資格です。フルタイムの直接雇用が条件で、派遣は認められません。報酬は日本人と同等以上である必要があります。

前述のとおり、2026年4月13日以降は新規の受け入れが原則停止しています。したがって現時点で採用できるのは、すでに外食業の特定技能1号で在留している人を転職で迎えるケースに限られます。この場合も勤務先変更の手続きが必要です。

もう一つ残されているのが特定技能2号です。2号は在留期間の更新に上限がなく、家族の帯同も認められます。外食業の2号には、2号技能測定試験と日本語能力試験N3以上の合格に加え、副店長・サブマネージャーなど複数の従業員を指導しながら店舗管理を補助した実務経験が求められます。1号は通算5年が上限のため、2019年から2020年ごろに1号で就労を始めた人はすでに期限が近づいています。今いるスタッフを長く戦力として残すには、2号評価試験の受験を支援し、移行を計画的に進めることが有効です。

受け入れる側には、支援計画の作成・実施や各種届出といった運用負荷が発生します。自社で支援体制を組めない場合は登録支援機関に委託しますが、その費用も含めて採用コストを見積もる必要があります。

▶ 支援計画の内容、登録支援機関、協議会、費用負担のルールなど特定技能制度の詳細は、関連記事特定技能「宿泊」の受け入れ完全ガイドで体系的に解説しています。

留学生アルバイトを雇うときの実務(28時間・掛け持ち・長期休暇)

留学生アルバイトは採用しやすい反面、時間管理を間違えると一気に違法就労になります。現場任せにせず、面接からシフト作成までをルール化して運用しましょう。

留学生採用の実務で重要なのは、法律の知識よりも、毎週確実に守れる運用です。忙しい店舗ほど、口頭確認だけで回しがちですが、繁忙期に超過が起きて発覚するケースが目立ちます。

掛け持ちは珍しくなく、本人も悪意なく超えてしまいます。店舗側ができる最善策は、聞くべきことを固定し、申告を文書化し、シフト確定前に合算時間をチェックする仕組みを作ることです。

また、卒業後に正社員化したい場合は、アルバイトの延長線で考えるとつまずきます。卒業後に任せる職務を先に設計し、その職務に合う在留資格を逆算して準備することが、継続雇用の成功率を上げます。

週28時間の数え方と掛け持ちの確認(面接で聞くべきこと)

週28時間は、1店舗だけで完結しません。掛け持ちしている場合は合算で判断されるため、面接時点で他社勤務の有無、勤務先数、週の予定時間、繁忙期の増加可能性を具体的に確認します。

実務上は、直近7日間の移動集計で確認する運用にし、シフト確定前に本人申告の他社予定時間を加えた合計で上限を超えないか確認します。口頭だけでは後から食い違うため、申告書として残し、変更があったら再提出する運用が有効です。

質問は抽象的にせず、今週は何曜日に何時間、来月は試験期間があるか、長期休暇はいつか、と具体化すると精度が上がります。本人を疑うためではなく、本人を守るための確認だと説明することで、申告の正確性も上がります。

長期休業中は「1日8時間以内」(週40時間は労働基準法の上限)

学則で定められた長期休業期間中は、資格外活動の上限が緩和されます。入管庁「『留学』の在留資格に係る資格外活動許可について」のとおり、入管法施行規則が定めているのは「1日について8時間以内」で、週あたりの上限は定められていません。

ここで注意したいのが、解説記事などでよく見かける「1日8時間・週40時間以内」という表現です。週40時間は入管法上のルールではなく、労働基準法が定める法定労働時間の上限です。根拠となる法律が違うため、混同しないでください。実務上は、入管法の1日8時間と、労働基準法の週40時間・1日8時間の両方を守る必要があります。

対象となるのは、その教育機関の学則に定められた休業期間です。個人的に授業がない期間や、試験明けの空き時間は含まれません。夏季・冬季・春季休業の具体的な日程を学校の学年暦で確認し、期間を特定してからシフトを組んでください。

繰り返しになりますが、この特例は「留学」の在留資格に限られます。家族滞在の人は長期休業中も週28時間以内が上限です。

卒業後の在留資格変更(技人国・特定技能等)への接続

卒業後も雇い続けたい場合は、卒業直前に慌てるのではなく、半年前から職務設計と手続き準備を始めるのが現実的です。まず、卒業後に任せたい仕事を、現場中心か運営中心か、通訳や企画を含むかなど具体化します。

次に、その職務に合う在留資格を選定し、必要な書類や社内体制を整えます。技術・人文知識・国際業務を想定するなら、職務記述書と業務割合の設計が鍵になりますし、特定技能などを想定するなら制度動向と要件確認が欠かせません。

留学生時代と同じ働き方のまま正社員化できるとは限らない点が最大の落とし穴です。本人の成長計画と店舗の役割設計をセットで作ると、在留資格の選定もブレにくくなります。

特定技能「外食業」の現状|停止の内容・例外・2号

停止の影響を正確に理解し、対象外となる動きで採用や定着を進められるかを見極めることが重要です。噂ではなく一次情報で判断し、採用戦略に落とし込みましょう。

特定技能は制度の更新や運用変更が起きやすく、現場の伝聞だけで動くと手戻りが発生します。採用計画に組み込むなら、止まる手続きと止まらない手続きを切り分けておく必要があります。

停止中は、海外からの新規採用に頼る設計が難しくなるため、国内転職市場の活用や、在留中人材の定着と育成がより重要になります。採用より先に離職を減らすことが、人員充足の最短ルートになることもあります。

また、2号は長期就労の可能性があるため、候補者を育てるという視点が有効です。制度対応は必要ですが、店舗運営の中核を担える人材が育つと、採用難の影響を受けにくい組織になります。

停止の対象(COE新規・他資格からの変更)と対象外(在留中1号の転職・2号)

停止の対象となるのは、外食業の特定技能1号を新たに取得するための申請です。具体的には、海外にいる人を呼ぶための在留資格認定証明書交付申請と、留学・技能実習・家族滞在など他の在留資格から外食業の特定技能1号への在留資格変更許可申請の2つです。

通常どおり審査されるのは、すでに外食業の特定技能1号で在留している人が別の会社に移る場合(転職等に伴う申請)と、在留期間の更新です。技能実習(医療・福祉施設給食製造作業)の修了者と、外食業分野の特定活動(特定技能1号移行準備)をすでに許可されている人からの移行申請は、上限の範囲内で順次許可されます。特定技能2号は受入れ見込み数の対象外です。

採用側から見ると、影響は「これから採る人」ではなく「進行中の案件」にも及びます。内定を出して手続きの準備を進めていた候補者、卒業後のフルタイム化を約束していた留学生アルバイトは、そのままでは働き続けられません。該当者がいる場合は、他の在留資格への切り替えが可能かどうかを早めに確認してください。

たとえば、卒業後も日本で働きたい留学生であれば、職務内容を設計できるなら技人国、日本人の配偶者がいるなら身分に基づく在留資格、飲食料品製造業など他分野の特定技能への切り替えといった選択肢を検討することになります。ただしいずれも要件が異なるため、個別の判断は専門家に相談するのが確実です。

受け入れ再開の見方と一次情報の追い方(入管庁の審査状況ページ)

受け入れ再開の時期は、外部の噂やSNS投稿だけで判断すると危険です。一次情報として、入管庁が公表する審査状況やお知らせを定期的に確認し、社内で共有する仕組みを作るのが安全です。

運用のコツは、担当者と頻度を決めて習慣化することです。たとえば月1回、繁忙期前は週1回など、採用計画の重要度に合わせてモニタリングを設計します。

確認結果は、採用媒体の条件変更や、候補者への案内文に反映します。情報を見て終わりにせず、求人条件と採用導線を更新するところまでがディレクションです。

外食業分野の固有事項(対象業務・外食業技能測定試験・協議会・協力確認書)

外食業分野の特徴は、調理、接客、店舗管理までを一体として捉えやすい点にあります(農林水産省「外食業分野における外国人材の受入れについて」)。業務範囲を理解しておくと、店舗内での役割分担や育成計画を作りやすくなります。

人材要件としては、技能測定試験や日本語要件など、本人側の準備が必要です。採用側は、どの試験をいつ受けるのか、現実的な学習期間はどれくらいかを面接段階で確認し、入社後の教育計画に落とし込みます。

受け入れ機関側には、協議会対応や協力確認書など、手続きタスクが発生します。ここを後回しにすると、申請段階で詰まるので、誰がいつ何を出すかをチェックリスト化し、店舗と本部の役割分担を決めておくのが実務的です。

ホテル内レストランは宿泊分野?外食業分野?

ホテルや旅館の中にある直営レストランは、宿泊分野・外食業分野のどちらでも特定技能人材を受け入れられます。ただし条件が異なります。

外食業分野で受け入れる場合は、そのレストランでの調理・接客・店舗管理に従事します。一方、宿泊分野で受け入れる場合は、フロント、企画・広報、接客、レストランサービスという宿泊分野の業務に幅広く関与することが求められ、レストラン専任として配置することはできません。

外食業の新規受け入れが停止している現在、「宿泊分野で採用してレストランに配置できないか」と考える施設もありますが、レストラン専任では要件を満たしません。フロント業務なども含めた配置計画が前提になります。

なお、テナントとして入っている独立した飲食店は、ホテル内にあっても外食業分野の扱いです。同じ建物の中でも、経営主体と業務範囲によって適用される分野が変わります。

採用から就労開始までの流れ

採用決定後にいつから働けるかは、在留資格によって大きく変わります。募集から入社までを工程として見える化し、詰まりやすいポイントを先回りして潰します。

採用活動は内定がゴールではなく、適法に就労開始できた時点がゴールです。特に在留資格の変更や確認が必要なケースでは、入社日を先に決めてしまうと現場が混乱します。

工程を管理するコツは、誰が、いつまでに、何を確認し、何を保管するかを決めることです。面接担当、店舗責任者、本部、人事など関与者が多いほど、チェックポイントを固定しないと抜けます。

また、募集チャネルによって集まる在留資格の傾向が変わります。停止後は国内在住者を中心に設計し、採用スピードと手続き負荷のバランスを取りましょう。

募集チャネルの選び方(無料求人媒体・人材紹介・日本語学校/専門学校・リファラル)

新規受け入れが止まった今、募集の対象は「すでに日本にいる外国人」です。海外からの呼び寄せを前提としたチャネルは機能しないため、国内在住者にリーチできる手段を選ぶ必要があります。

在留資格別・採用から就労開始までの期間 手続きの要否で立ち上がりが大きく変わる(目安) 内定1か月2か月3か月 即日〜就労可 身分に基づく在留資格 永住者・配偶者等・定住者 在留カード確認のみ。手続き不要 即日〜就労可 留学生(資格外活動) アルバイト・週28時間以内 許可済みなら手続き不要。掛け持ちの合算に注意 在留資格変更許可申請 約1〜2か月 技人国・技能 管理職・専門調理 職務内容の設計と疎明資料が必要 転職の手続き 約1〜1.5か月 特定技能「外食業」 在留中1号の転職のみ 新規取得(海外招へい・他資格からの変更)は停止中 支援計画の作成・届出が必要 ※標準処理期間は申請内容や入管の混雑状況により変動します。2026年9月時点の目安です。
在留資格別・採用から就労開始までの期間の目安

まず有力なのが、外国人向けの求人媒体です。日本語での就職活動に不慣れな層も登録しているため、日本語中心の一般媒体より母集団を作りやすいのが特徴です。ArigatoJobsのように掲載費・成功報酬・初期費用がかからない無料媒体もあり、アルバイト・正社員のどちらの募集にも使えます。採用単価を抑えたい店舗は、まず無料媒体で母集団を作り、足りない部分を他のチャネルで補うのが効率的です。

▶ 媒体ごとの特徴と選び方は、関連記事外国人採用に強い求人媒体の選び方とおすすめ一覧を、無料で使える媒体に絞った比較は外国人採用で使える無料求人サイトの選び方とおすすめで詳しく解説しています。

人材紹介会社は、要件に合う候補者を探してもらえる反面、成功報酬が発生します。特定技能の新規受け入れが止まっている状況では紹介できる候補者も限られるため、費用に見合うかを確認してから使いましょう。

日本語学校や専門学校との連携も有効です。アルバイトから受け入れて卒業後の進路につなげる流れを作れれば、採用と定着を同時に解決できます。加えて、すでに働いている外国人スタッフからの紹介(リファラル)は、定着率が高く費用もかからないため、制度として整えておく価値があります。

選考・面接で確認する項目

面接では、志望動機や日本語力に加えて、就労できる条件を満たしているかを必ず確認します。ここを面接担当者の裁量に任せると、店舗ごとに確認レベルが変わり、事故のもとになります。

表② 面接時チェックリスト
確認項目確認方法これがNGなら
在留資格在留カード表面。任せたい業務に対応しているか採用不可、または業務の再設計
在留期限在留カード表面。更新予定・申請状況も確認期限後の勤務ルールを事前に決める
就労制限の有無在留カード表面の「就労制限の有無」欄「就労不可」なら資格外活動許可を確認
資格外活動許可在留カード裏面の記載、または許可書許可がなければアルバイト不可
掛け持ちの有無と時間口頭確認+書面申告(勤務先名・週の時間数)合算で週28時間超なら採用不可
カードの真正性入管庁「在留カード等番号失効情報照会」/読取アプリ失効・偽造なら採用不可
日本語力資格の有無+実務場面での口頭確認配置業務を調整

特に落としやすいのが、掛け持ち先の勤務時間です。留学生は自店のシフトだけ見れば適法でも、合算すると超過している場合があります。「他のお店でも働いていますか」「週に何時間ですか」を必ず聞き、可能であれば勤務先名と時間を書面で申告してもらってください。

在留期限が近い候補者については、更新予定と手続きの進捗を確認します。更新申請中は在留期限後も一定期間は就労が継続できますが、社内でどう扱うかをルール化しておかないと現場が判断に迷います。

日本語力は、資格の有無だけでなく実務での確認が有効です。接客がある場合は、想定される場面(注文の取り方、アレルギーの確認、クレーム対応)を口頭でやりとりしてみると、実際の配置を判断しやすくなります。

雇用契約と在留資格の手続き(在留資格別に要否を整理)

身分に基づく在留資格は、原則として就労のための追加申請は不要ですが、在留期限の更新管理は必要です。入社時に期限を台帳に登録し、更新時期に本人へリマインドする運用を作ります。

留学生や家族滞在は、資格外活動許可の確認と、週28時間の時間管理が中心業務になります。雇用契約書に、時間上限と申告義務を記載しておくと、店舗側の管理がしやすくなります。

技術・人文知識・国際業務や技能などは、職務内容が審査の核になります。契約書や職務記述書で仕事内容を具体化し、必要な場合は在留資格の変更申請や更新申請を見据えて準備します。特定技能は支援や届出など店側の義務も増えるため、社内担当と外部委託の切り分けを先に決めておくことが重要です。

行政書士に依頼する判断基準(社内対応と委託の線引き)

社内で対応しやすいのは、在留カードの確認と記録、資格外活動の時間管理、雇用契約書の整備、更新期限の台帳運用など、日常運用に近い領域です。ここは仕組み化すれば、店舗数が増えても回せます。

一方で、在留資格の変更や更新申請が絡むケース、職務設計が複雑なケース、過去に不許可歴があるケースは、専門家に委託したほうが安全です。審査は書類の整合性が重要で、経験差が結果に出やすい領域です。

判断基準は、失敗したときの損失で考えることです。不許可になれば本人も店舗もダメージが大きいので、リスクが高い案件ほど、早い段階で行政書士に相談するのが費用対効果に合います。

違法雇用を避けるための注意点

違法就労は企業側も罰則対象となり、行政指導や今後の受け入れにも影響します。典型的な落とし穴を先に知り、現場で起こらない仕組みに落とし込みましょう。

違法雇用は、悪意よりも運用の穴から起きます。忙しいときだけシフトを増やす、裏面確認を省く、更新確認を忘れる、といった小さな例外運用が積み重なって事故になります。

コンプライアンスは、現場の善意に頼らず、チェックリストと台帳で担保するのが基本です。採用担当が守るべきは、確認の証跡が残る運用を作ることで、トラブル時に会社を守ることにもつながります。

また、労務面では賃金や労働条件の説明不足が不満につながり、離職や紛争を招きます。法令順守は採用の足かせではなく、長く働いてもらうための土台です。

不法就労助長罪(知らなかったでは済まない)

就労できない外国人を働かせた場合、雇用した事業主は不法就労助長罪に問われます。現行の法定刑は3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金で、併科もあります。

重要なのは、知らなかったでは済まないという点です。入管法は、在留資格を確認しなかったことに過失がある場合、知らなかったことを理由に処罰を免れることはできないと定めています。つまり在留カードを確認していなかった、裏面の資格外活動許可を見ていなかった、という状態は、それ自体が過失として評価されます。

さらに、育成就労制度の創設に伴う入管法改正により、2027年4月1日からは5年以下の拘禁刑または500万円以下の罰金に引き上げられます。厳罰化の方向にあることを踏まえ、確認手順を今のうちに整備しておくことをおすすめします。

罰則以外の影響も見過ごせません。報道されれば店舗の信用に直結しますし、特定技能の受け入れ機関としての適格性を失えば、その後の外国人採用ができなくなります。採用の入り口で確認を徹底することが、結果的に最も安価なリスク対策です。

賃金・労働条件は日本人と同等に(同一労働同一賃金・最低賃金)

賃金や労働条件を国籍で差別することはできません。同じ仕事なら同等の賃金体系にし、最低賃金や割増賃金のルールも日本人と同じように適用します。

トラブルになりやすいのは、手当や昇給基準が不透明なケースです。評価項目や昇給条件を簡単な日本語で明文化し、必要に応じて多言語ややさしい日本語で説明すると納得感が上がります。

また、雇用契約書や就業規則の内容と実態がズレると、企業側が不利になります。実際のシフト、休憩、残業の運用がルール通りかを定期的に点検し、現場任せにしないことが重要です。

外国人雇用状況の届出など入社後の届出

外国人を雇い入れたとき、および離職したときは、ハローワークへ外国人雇用状況の届出が必要です。届出は期限が2種類に分かれており、雇用保険の被保険者かどうかで変わります。

表③ 入社後・退職後の届出
対象届出方法期限
雇用保険の
被保険者となる場合
雇用保険被保険者資格取得届の該当欄に在留資格・在留期間・国籍等を記入(外国人雇用状況の届出を兼ねる)翌月10日まで
雇用保険の
被保険者とならない場合
外国人雇用状況届出書(専用様式)をハローワークへ提出翌月末日まで
離職時(被保険者)雇用保険被保険者資格喪失届(外国人雇用状況の届出を兼ねる)離職日の翌日から10日以内
離職時(被保険者以外)外国人雇用状況届出書翌月末日まで

雇用保険の被保険者となる場合は、翌月10日までです。この場合、雇用保険被保険者資格取得届の該当欄に在留資格や国籍を記入することで、外国人雇用状況の届出を兼ねられます。別途の書類は不要です。

雇用保険の被保険者とならない場合(週20時間未満の留学生アルバイトなど)は、翌月末日までに専用の様式で届け出ます。飲食店ではこちらに該当するケースが多く、しかも書式が別なので忘れられがちです。

離職時は期限が変わる点に注意してください。雇用保険の被保険者が離職した場合は、離職日の翌日から起算して10日以内に雇用保険被保険者資格喪失届を提出し、これが外国人雇用状況の届出を兼ねます。被保険者以外の離職は、雇入れと同じく翌月末日までです。

届出を怠ったり虚偽の届出をした場合は、30万円以下の罰金の対象です。入社・退社のチェックリストに組み込み、担当者と締切を台帳で管理してください。

風営法対象店舗(接待・深夜酒類提供)での注意

店舗が風営法上のどの区分に当たるかによって、就労させられる在留資格が変わります。禁止の範囲は在留資格ごとに定められているため、法令の条文で確認します。

資格外活動許可(留学生・家族滞在)については、入管庁の許可要件として、風俗営業(風営法2条1項)、店舗型性風俗特殊営業、特定遊興飲食店営業が営まれている営業所での就労が禁止されています。接待を伴う飲食店(キャバクラ、スナック等)は明確に対象で、皿洗いや調理であっても就労させられません。

特定技能「外食業」については、分野別運用方針で、風俗営業(2条1項)を営む営業所での就労、性風俗関連特殊営業(2条5項)を営む営業所での就労、接待(2条3項)を行わせることの3点が禁止されています。深夜酒類提供飲食店営業(接待を伴わない居酒屋・バーの深夜営業)そのものを禁止する規定は、資格外活動・特定技能のいずれにも置かれていません。

つまり、居酒屋やバーであっても接待を行わない通常の営業であれば、深夜帯のシフトに留学生や特定技能人材を入れること自体は法令上制限されていません。判断の分かれ目は「深夜に営業しているか」ではなく「風俗営業の許可が必要な形態か、接待をさせるか」です。

なお、風俗営業の許可を受けている旅館・ホテル営業の施設内レストランについては、外食業分野の運用方針で例外が設けられています。実務上は、自店の許可の種類(飲食店営業のみか、深夜酒類提供飲食店営業の届出をしているか、風俗営業の許可を得ているか)と、現場で接待に当たる行為が発生しないかを確認したうえで、採用しようとしている在留資格と突き合わせてください。

採用にかかる費用と抑え方

採用コストは、チャネル選びとミスマッチ削減で大きく変わります。停止後は国内採用に寄せつつ、教育投資を前提に費用対効果を最適化しましょう。

採用費が膨らむ主因は、広告費そのものよりも、採ってからすぐ辞める、働けない人を採ってしまう、といったミスマッチです。在留資格確認と職務の言語化は、採用コスト削減に直結します。

無料で集める工夫と、有料で早く決める手段を使い分けることが重要です。どちらか一方に偏ると、応募の質かスピードのどちらかが崩れます。

助成金は、後から探して当てはめるより、要件に合う施策として最初から設計するほうが通りやすく、運用も安定します。採用と同時に、育成と定着を施策として組むのが現実的です。

募集費をゼロにする(無料求人媒体の活用)

採用コストの中で最も削りやすいのが募集費です。人材紹介会社を使えば1名あたり数十万円の成功報酬が発生しますが、国内在住者を自社で直接募集できれば、この費用はかかりません。

外国人向けの無料求人媒体はその手段のひとつです。ArigatoJobsは掲載費・成功報酬・初期費用がすべて無料で、アルバイト・正社員のどちらの求人も掲載できます。日本国内に住む外国人が登録しているため、停止後に主戦場となる「今すぐ就労できる層」にそのままリーチできます。

もうひとつのポイントは、手続き費用がかからない在留資格を選ぶことです。身分に基づく在留資格や、すでに資格外活動許可を持つ留学生であれば、採用にあたって在留資格の手続きは基本的に発生しません。募集費ゼロと手続き費用ゼロを組み合わせられれば、外国人採用は日本人採用と変わらないコストで実施できます。

表④ 在留資格別・採用にかかる費用の目安
費用項目身分系・留学生技人国・技能特定技能(転職受入れ)
募集費無料求人媒体なら0円/人材紹介は成功報酬が発生
在留資格の手続き原則不要変更許可申請が必要
(行政書士報酬 10〜15万円程度)
転職の手続きが必要
(同左)
支援・委託費なしなし登録支援機関に委託する場合
(月額2〜3万円/人程度)
教育・受入れ準備多言語マニュアル、OJT設計など(自社対応)
立ち上がりの早さ即日〜約1〜2か月約1〜1.5か月

逆に費用がかかるのは、在留資格の変更を伴う採用です。行政書士に依頼する場合の報酬に加え、特定技能であれば登録支援機関への委託費が継続的に発生します。どのルートで採るかによって総額が大きく変わるため、募集を始める前に見積もっておくことをおすすめします。

採用後の定着に必要な運用

採用できても定着しなければ、採用コストは回収できません。日本語教育、文化配慮、制度の公平性を運用として整えることで、離職の原因を減らします。

外国人スタッフの離職理由は、賃金だけでなく、伝達不足、評価の不透明さ、相談できない不安に集中します。逆に言えば、運用を整えるだけで定着率は改善しやすい領域です。

日本語力は採用時点の点数より、職場で伸ばせる設計があるかが重要です。定型句と例外対応を分け、現場で使う言葉に絞って教育すると、短期間で戦力化できます。

文化配慮は特別扱いではなく、ルール化して全員に周知することがポイントです。曖昧に配慮すると不公平感が出るため、選択肢と基準を用意する運用が最も揉めません。

日本語力の目安と教育(接客用語・多言語マニュアル・OJT)

必要な日本語力は業務で分けて定義すると運用しやすくなります。たとえば、洗い場や仕込み補助は安全指示が理解できること、ホールは注文復唱と会計の定型句、リーダーはクレーム初動と引き継ぎ文書、というように段階を作ります。

教育は、接客の定型句を丸暗記させるだけでは不十分で、イレギュラー時の型が必要です。アレルギー、予約変更、提供遅れなど、頻出トラブルの返答テンプレートを用意すると、現場の事故が減ります。

多言語マニュアルややさしい日本語の手順書を整え、OJT担当者を決めて評価項目と連動させると、教える側も迷いません。教育はコストではなく、離職とクレームを減らす投資として設計すると効果が出ます。

宗教・食習慣への配慮(ハラール・断食期間・まかない)

宗教や食習慣は、本人が言い出しにくいテーマである一方、現場では衝突が起きやすいポイントです。だからこそ個別対応ではなく、最初からルールとして整えたほうが公平で運用も簡単になります。

ハラール対応は、できる範囲を決めることが重要です。まかないは選択肢を用意する、食材の扱いは交差汚染を避ける手順を決めるなど、できることを具体化するとトラブルが減ります。

断食期間は体力が落ちやすく、長時間シフトや高温の厨房作業が負担になる場合があります。本人と事前に相談し、休憩や配置、シフトを調整する基準を作ると、体調不良による欠勤や事故を防げます。

シフト・評価の公平性と相談窓口

不公平感は、賃金よりもシフトと評価で起きやすいです。希望シフトの優先順位、繁忙期の割り当て、昇給や役割付与の基準を明文化し、国籍ではなく行動と成果で決まる仕組みにします。

ハラスメント防止も定着に直結します。言葉の行き違いが起きやすい環境だからこそ、禁止事項と相談ルートを全員に周知し、相談しても不利益がないことを明確にします。

相談窓口は、店長だけに集中させないほうが安全です。本部、人事、外部窓口など複数ルートを用意し、早期離職の兆候である欠勤増加や表情の変化を拾える体制を作ると、離職を未然に防げます。

最後に、飲食店の外国人採用で現場や採用担当者から特に多い疑問に回答します。判断に迷う時間を減らし、すぐに運用へ落とし込めるように整理します。

よくある質問(FAQ)

Q
飲食業で外国人を採用するにはどうしたらいい?
まず、任せたい業務を洗い出し、その業務に従事できる在留資格を特定します。ホールや調理などの現場業務であれば、身分に基づく在留資格、留学生等の資格外活動許可、特定技能、技能のいずれかが対象です。技術・人文知識・国際業務では現場業務を中心に任せることはできません。次に、その在留資格を持つ人を募集します。特定技能「外食業」は2026年4月13日以降、新規の受け入れが原則停止しているため、現在は国内在住者を対象とした募集が中心になります。採用時には在留カードで在留資格・在留期限・就労制限を確認し、留学生の場合は裏面の資格外活動許可も確認します。入社後は、翌月10日または翌月末日までに、ハローワークへ外国人雇用状況の届出を行います。
Q
外国人でも食品衛生責任者になれる?
なれます。食品衛生法や施行規則に国籍要件は定められておらず、外国人であっても食品衛生責任者になることができます。ただし、資格を得るには各自治体または食品衛生協会が実施する養成講習会を受講する必要があります。講習は日本語で行われ、実施団体によっては「日本語が理解できること」を独自の受講要件としている場合があるため、受講を予定している自治体の要項を事前に確認してください。なお、調理師・栄養士などの資格保有者は講習が免除されます。海外の資格は対象外ですが、日本で調理師免許を取得している場合は免除の対象です。
Q
外国人を雇用する場合、風営法で気をつけることは?
最初に、自店が風営法上どの区分に当たるかを確認します。飲食店営業のみか、深夜酒類提供飲食店営業の届出をしているか、接待を伴う風俗営業の許可を得ているかで、就労させられる在留資格が変わります。留学生などの資格外活動許可では、風俗営業・店舗型性風俗特殊営業・特定遊興飲食店営業が営まれている営業所での就労が禁止されています。特定技能「外食業」では、風俗営業・性風俗関連特殊営業を営む営業所での就労と、接待を行わせることが禁止されています。いずれの在留資格でも、深夜酒類提供飲食店営業そのものを禁止する規定はありません。接待を伴わない居酒屋やバーの深夜シフトは、法令上は制限されていません。
Q
特定技能「外食業」の受け入れ停止はいつまで?
2026年9月時点で、再開の時期は公表されていません。停止は受入れ見込み数(受入れ上限5万人)に達する見込みとなったことによるもので、制度そのものが廃止されたわけではありません。今後、受入れ見込み数の見直しが行われれば再開される可能性がありますが、時期は未定です。採用計画を特定技能に依存させず、他の在留資格を含めた複数のルートで組み立てておくことをおすすめします。なお、すでに外食業の特定技能1号で在留している人の転職と、特定技能2号は停止の対象外です。最新の状況は出入国在留管理庁のウェブサイトで確認してください。

まとめ|停止後も採用ルートはある

この記事のまとめ

特定技能「外食業」の新規受け入れが停止し、飲食店の外国人採用は難しくなったように見えます。しかし止まったのは新規の1号取得だけで、採用ルート自体はいくつも残っています。

まず、任せたい業務を分解し、それぞれに従事できる在留資格を特定してください。現場業務であれば身分に基づく在留資格、留学生等の資格外活動許可、在留中の特定技能1号の転職。管理業務であれば技人国。専門調理であれば技能。この組み合わせを整理するだけで、募集すべき対象が明確になります。

そのうえで、在留カードの確認手順を固定化し、入社後の届出をチェックリストに組み込む。この2つで、不法就労助長罪のリスクはほぼ回避できます。2027年4月には罰則が引き上げられるため、今のうちに仕組みを整えておくことをおすすめします。

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