訪問介護で特定技能が解禁された背景
外国人介護人材の訪問系サービスへの従事は、長く認められていませんでした。訪問系サービスは利用者と介護者が1対1で業務を行うことが基本で、施設のように他の職員がそばにいない環境だからです。訪問介護員の人材不足と高齢化が進むなかで、厚生労働省は令和7年3月31日に通知を発出し、受入事業者が一定の遵守事項を守ることを条件に従事を認めました。
解禁日は在留資格によって異なります。技能実習は令和7年4月1日、特定技能は令和7年4月21日の施行です。「2025年4月から解禁」とひとまとめにされることが多いのですが、特定技能は告示の改正を待って約3週間遅れて施行されています。なお、EPA介護福祉士候補者の訪問系従事については、通知の時点では「必要な調整が終了し次第、改めて通知する」とされています。
出典:厚生労働省「外国人介護人材の訪問系サービスへの従事について」、同「外国人介護人材の訪問系サービス従事における留意点について」(社援発0331第40号・老発0331第12号、令和7年3月31日)(いずれも2026年9月24日取得)
対象となる訪問系サービスと在留資格の範囲
対象となる訪問系サービス(4つ+訪問入浴の2つ)
以下で説明する遵守事項・実務経験・書面説明・適合確認の対応が求められるのは、訪問介護、定期巡回・随時対応型訪問介護看護、夜間対応型訪問介護、介護予防・日常生活支援総合事業(第一号訪問事業)の4つです(通知二)。
訪問入浴介護と介護予防訪問入浴介護も従事が認められましたが、複数人でのサービス提供が必要で、必ずしも介護職員初任者研修課程の修了などが求められていないことから、別扱いです。受入事業者が適切な指導体制等を確保したうえで、職場内で実務に必要な入浴等の研修等を受講させて従事させることとされています。本記事の以下の要件(初任者研修・実務経験1年・同行訪問の期間・書面同意)は、4つのサービスを前提に読んでください。
障害福祉サービス等の訪問系サービス(居宅介護など)はこの通知の対象外で、「障害福祉サービス等における外国人介護人材の訪問系サービス従事の留意点について」(令和7年3月31日付け社援発0331第41号・障発0331第4号・こ支障第89号)という別の通知で留意点が示されています。また、小規模多機能型居宅介護の「訪問」には外国人介護人材は従事できません(通知Q&A問25)。本記事は介護保険の訪問系サービスに絞って説明します。
| サービス種別 | 提供の形 | 受け入れ時に留意する点 |
|---|---|---|
| 訪問介護 | 利用者宅で1対1が基本 | 同行訪問の期間設計と、利用者ごとの書面説明が中心になる |
| 定期巡回・随時対応型訪問介護看護 | 短時間の定期訪問と随時対応 | 随時対応時の連絡体制と、ICTによる事業所とのやりとりが重要 |
| 夜間対応型訪問介護 | 夜間の定期巡回と随時対応 | 夜間の緊急時に他の職員が駆け付けられる体制の確保 |
| 介護予防・日常生活支援総合事業(第一号訪問事業) | 市町村の総合事業による訪問型サービス | 市町村ごとの事業内容を確認したうえで対象範囲を判断する |
| 訪問入浴介護 | 複数人でのサービス提供が必要(通知二) | 通知三・四の遵守事項は求められない(通知二、Q&A問24)。初任者研修の修了も求められず(Q&A問28)、適切な指導体制等を確保し、職場内で入浴等の実務研修等を受講させて従事させる |
| 介護予防訪問入浴介護 | 同上 | 同上 |
対象サービスと訪問入浴の扱いの出典:厚生労働省「外国人介護人材の訪問系サービス従事における留意点について」二、同「同通知に関するQ&A」問28。上4行の「提供の形」「留意する点」は編集部による整理
従事できる在留資格(特定技能・技能実習)
この通知の対象は、技能実習と特定技能の在留資格で介護業務に従事する外国人です。介護福祉士の有資格者(在留資格「介護」など)は、通知自身が「現行制度上で訪問系サービスに従事できる外国人介護人材」と記しているとおり従前から訪問系に従事でき、この通知の要件は課されません。EPA介護福祉士候補者は前述のとおり別途の通知待ちです。
技能実習は令和9年4月1日から育成就労制度に移行しますが、施行日時点で技能実習を行っている人は引き続き技能実習を続けられます。育成就労についても、分野別運用方針で、介護職員初任者研修課程等を修了し実務経験等を有する育成就労外国人に限り、特定技能と同じ5つの遵守事項のもとで訪問介護等に従事させることができると定められています。細部の運用は施行に向けた通知を確認してください。
▶ 4つの在留資格の違い、在留期間、家族帯同の可否といった制度比較は 介護で外国人を採用する方法|受け入れ人数の上限と在留資格の選び方の「4つのルート」の章にまとめています。
特定技能外国人が訪問介護で働くための要件
在留資格「特定技能(介護)」の要件
特定技能1号「介護」で従事できる業務は、身体介護等(利用者の心身の状態に応じた入浴、食事、排せつの介助等)の業務です。このうち訪問介護等の業務については、分野別運用方針で、介護職員初任者研修課程等を修了し、実務経験等を有する1号特定技能外国人のみを従事させることとされています。
出典:出入国在留管理庁「介護分野における特定技能の在留資格に係る制度の運用に関する方針(別紙1・令和8年1月23日閣議決定)」(2026年9月20日取得)
介護職員初任者研修等と実務経験の要件
研修要件は、介護職員初任者研修課程等の修了です。実務経験は、通知に「介護事業所等での実務経験が1年以上ある外国人介護人材であることを原則とする」と書かれています(通知四①)。採用面接では、研修の修了証と、介護事業所等での在籍期間を証明できる書類の両方を確認してください。
実務経験の数え方に注意点があります。特定技能外国人の従事が認められていない施設・事業所(特定施設入居者生活介護の指定を受けていない住宅型有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅、外部サービス利用型など)での業務は、この1年の実務経験に算入されません。前職がこれらに当たる場合、在籍期間があっても要件を満たさないことになります。
実務経験が1年に満たない人を訪問系に従事させることも、受入事業所の判断で例外的に認められています。ただし、その場合は日本語要件と同行訪問の期間について追加の措置(後述のア・イ)を講じなければなりません。
生活援助従事者研修のみでは従事できない
見落とされやすいのが、研修の種類です。通知は、介護職員初任者研修課程の修了などを求めたうえで、生活援助従事者研修課程のみを修了した場合を除くとしています。生活援助従事者研修は初任者研修とは別の課程で、この修了だけでは要件を満たしません。修了証を確認するときは、研修の課程名まで確認してください。「研修を修了しています」という申告だけで進めると、適合確認の段階で止まります。
日本語要件・試験の考え方
特定技能1号「介護」の日本語要件は、「日本語教育の参照枠」A2.2相当以上(国際交流基金日本語基礎テストや日本語能力試験N4などで確認)に加えて、介護特定技能評価試験(日本語)の合格です。訪問系に従事するからといって、全員にN2が求められるわけではありません。
N2相当が出てくるのは、実務経験1年未満の人を例外的に従事させる場合だけです。通知四①のアは「日本語能力試験N2相当など在留資格に応じて求められている日本語能力よりも高いレベルの能力を有する場合に限定する」としています。「訪問介護にはN2が必要」と一律に書いている解説は、この原則と例外を取り違えています。
実務経験1年以上の人材を採用できれば、日本語要件は特定技能の通常の基準のままで、同行訪問の期間も事業所の判断で設計できます。ArigatoJobsは掲載費・成功報酬・初期費用なしで求人を出せる外国人向け求人サイトで、すでに国内の介護事業所で働いている特定技能人材にも求人を届けられます。要件に「介護職員初任者研修修了・実務経験1年以上」と明記して募集すれば、例外措置に頼らない採用ができます。
出典:出入国在留管理庁「特定技能ガイドブック」、厚生労働省「外国人介護人材の訪問系サービス従事における留意点について」四①、国際厚生事業団「特定技能外国人の訪問系サービスへの従事について」(実務経験の算定対象外となる施設)(いずれも2026年9月27日取得)
受入れ事業所が遵守すべき5つの事項
外国人介護人材への研修実施
通知三①は、訪問系サービスの基本事項や生活支援技術など、利用者の居宅で実施する事項の研修に加えて、利用者・家族・近隣とのコミュニケーション(傾聴、受容、共感などのスキルを含む)や日本の生活様式など、利用者の生活習慣や個々の状態に配慮したサービス提供を可能にするための研修を求めています。あわせて、緊急時の連絡方法や連絡先を事前に確認する研修も求められています。施設系で受けた研修とは別に、訪問系向けの研修プログラムを用意してください。
同行訪問の期間は実務経験で変わる
本記事でもっとも重要な部分です(通知三②・四①)。「同行訪問はどのくらいの期間必要か」という問いの答えは、その外国人介護人材の実務経験が1年以上か未満かで変わります。
原則(実務経験1年以上)の場合、同行訪問の回数や期間は、利用者や外国人介護人材の状況により受入事業者が個々に判断します(三②)。通知に具体的な日数や月数の定めはありません。ただし、外国人介護人材が一人で適切にサービス提供できると事業者が認めるまでの一定期間、サービス提供責任者や先輩職員が同行することは必須です。
例外(実務経験1年未満)の場合は、利用者ごとに同行訪問の最低期間が定められています(四①イ)。週1回のサービス提供なら半年、週2回なら3か月、週3回以上なら2か月です。通知はこれを「2か月以上の同行訪問を求めることとし、それ以上の同行訪問期間の短縮は認めない」としたうえで、この期間を満たしたあとも、利用者ごとに必要な期間を受入事業者が判断して同行訪問を行うよう求めています。つまり2〜6か月は「これで足りる」期間ではなく、下回れない期間です。
| 外国人介護人材の実務経験 | 同行訪問の期間 | あわせて必要な条件 |
|---|---|---|
| 1年以上(原則) | 受入事業者が利用者と本人の状況により個々に判断(具体的な定めなし) | 一人で適切にサービス提供できると事業者が認めるまで、サービス提供責任者等が同行する |
| 1年未満(例外・受入事業所の判断) | 週1回のサービス提供:半年以上 | ア:日本語能力試験N2相当など、在留資格で求められる水準より高い日本語能力を有する者に限定 イ:利用者ごとに左記を最低期間として同行訪問を実施(2か月未満への短縮は不可)。そのうえで利用者ごとに必要な期間を事業者が判断 |
| 週2回のサービス提供:3か月以上 | ||
| 週3回以上のサービス提供:2か月以上 |
出典:厚生労働省「外国人介護人材の訪問系サービス従事における留意点について」三②・四①(2026年9月24日取得)
週1回の場合には短縮ルールがあります。利用者・家族の同意が得られる場合には、同行訪問を3か月行ったうえで、サービス提供時に見守りカメラを活用するなどICTを用いて常に事業所とやりとりができるようにすることで対応することも可能とされています。半年を3か月に短縮できる実務上の選択肢で、後述のICT環境整備(三⑤)と直結します。
同行訪問時の指導方法も、通知に例が示されています。初期は見学を中心にし、徐々に対応できる業務を増やして役割分担のうえで身体介護等を行い、最終的には外国人介護人材が中心にサービス提供を行い同行者が確認する、という段階的な進め方です。適合確認書の交付後は巡回訪問等で遵守状況が確認されるため、同行訪問の記録(日付・利用者・担当した業務・同行者)を残しておいてください。
意向確認とキャリアパスの構築
通知三③では、訪問系に従事させる前に、業務の内容や注意事項を丁寧に説明し、本人の意向を確認したうえで、個人に沿ったキャリアパスを構築することが求められています。そのうえで、多様な業務の経験や資格取得に向けた計画的な取り組みを含むキャリアアップ計画を、「当該外国人介護人材と共同して策定すること」が必要です。事業者が一方的に作って渡す書類ではありません。策定した計画は本人と共有し、日本語能力の修得目標や事業者による支援計画を含めて、実現までのステップを本人が理解できるようにします。キャリアアップ計画は適合確認申請の提出書類のひとつでもあります。
ハラスメント対策
通知三④の背景として、訪問系は1対1が基本のため、利用者や家族からのハラスメントが発見されにくいという課題があります。通知は次の対応を「いずれも」行うことを求めています。ハラスメントを未然に防止するための対応マニュアルの作成・共有、管理者等の役割の明確化、発生時の対処方法等のルールの作成・共有、利用者・家族への周知。そして実際に起こった場合の対応として、ルールの実行と、外国人介護人材が相談できる窓口の設置と周知です。国の「介護現場におけるハラスメント対策マニュアル」の活用も促されています。ハラスメント対応マニュアルは適合確認申請の提出書類にも含まれます。
ICTの活用等による環境整備
訪問先に他の職員がいないことを前提に、通知三⑤は次の環境整備を「いずれも」行うことを求めています。緊急時の連絡先や対応フローをまとめたマニュアルの作成、緊急時を想定した研修の実施、緊急時に他の職員が駆け付けられる体制の確保、サービス提供記録や申し送りを職員全員で共有する仕組みの整備です。手段としてコミュニケーションアプリや多言語翻訳機、見守りカメラ、記録ソフト、インカムなどのICTツールの活用が挙げられています。緊急時マニュアルも適合確認申請の提出書類です。
ICT機器の導入には、都道府県が実施する介護テクノロジー導入支援事業(地域医療介護総合確保基金)が使える場合があります。補助率は、一定の要件を満たす場合は3/4を下限、それ以外の場合は1/2を下限で、要件は施設系と在宅系で別に定められています(令和7年度の資料では、在宅系はケアプランデータ連携システムを利用し、連携先の事業所が決まっていることなど。令和8年度の要綱で要再確認)。訪問介護事業所がどちらの補助率になるかは要件の充足状況によるため、都道府県の実施要綱で確認してください。
▶ 補助金・助成金の全体像は 介護で外国人を採用する方法|受け入れ人数の上限と在留資格の選び方の「使える補助金・助成金」の章にまとめています。
出典:厚生労働省「外国人介護人材の訪問系サービス従事における留意点について」三①〜⑤、同「介護テクノロジー導入支援事業」(いずれも2026年9月24日取得)
訪問介護で追加で必要になる対応
利用者・家族への書面交付と署名
通知四②により、外国人介護人材が利用者の居宅を訪問して介護業務を行う可能性がある場合、事業所は利用者やその家族に対して書面を交付して説明し、その書面に署名を求めることとされています。口頭で了承を得るだけでは足りません。署名をもらった書面の写しは、利用者・家族に交付します(通知Q&A問15)。書面に記載する事項として、通知は次の4点などを挙げています。
| 記載事項 | 記載のポイント |
|---|---|
| 外国人介護人材が訪問する場合があること | 担当が固定でない場合も含めて、訪問の可能性を明示する |
| 訪問予定の外国人介護人材が要件を満たしていること(実務経験の期間等) | 初任者研修の修了、実務経験1年以上(または例外措置を講じている旨)を記載する |
| ICT機器を使用しながら業務を行う場合があること | 見守りカメラや翻訳アプリなど、使用する機器の種類と目的を具体的に書く |
| 不安なことがある場合に利用者・家族から連絡するための事業所連絡先 | 担当者名と電話番号。夜間・休日の連絡先も併記する |
出典:厚生労働省「外国人介護人材の訪問系サービス従事における留意点について」四②。「記載のポイント」は編集部による補足。厚生労働省の解説ページに、実務経験1年以上・1年未満それぞれの説明様式が掲載されています
訪問先の選定と単独訪問までの判断基準
通知の「五」は配慮事項として、訪問先の選定と、外国人介護人材の状況に応じたOJTを求めています。訪問先の選定では、ハラスメント等が発生しにくいようにすることに留意しつつ、利用者の健康状態・ADL・認知症の日常生活自立度・居住環境等の状態像や周辺環境、利用者や家族の意向、外国人介護人材のコミュニケーション能力や介護技術の状況・意向等を踏まえて、サービス提供責任者や事業者等が総合的に判断します。この判断は「適切に記録を残すこと」とされています。
単独訪問に移すかどうかも、同じ観点で判断します。事業所で使えるチェックリストの例を示します。
| 観点 | 利用者側の確認項目 | 外国人介護人材側の確認項目 |
|---|---|---|
| 状態像 | 健康状態、ADL、認知症の日常生活自立度、医療的なケアの有無 | 担当する身体介護・生活援助を一人で安定して実施できるか |
| 環境 | 居住環境(段差・浴室・動線)、家族の同席の有無、近隣との関係 | 訪問先までの移動手段と時間、緊急時の連絡手順を理解しているか |
| コミュニケーション | 利用者・家族の意向、外国人職員の訪問への受け止め | 利用者の言い回しを聞き取れるか、記録を正確に書けるか、報告・連絡・相談ができるか |
| リスク | ハラスメントの兆候や過去の経緯 | 不測の事態に落ち着いて連絡・対応できるか(研修と同行訪問での様子) |
| 記録 | 選定の判断理由と判断者、判断日を記録に残す | |
外国人介護人材の実務経験や能力等に応じて、徐々に業務に慣れることができるよう、OJTの期間を通常より長くする、面談を定期的に行う、日本語学習をきめ細かく支援するといった特段の配慮を行うこととされています(五②)。
出典:厚生労働省「外国人介護人材の訪問系サービス従事における留意点について」五①②(2026年9月24日取得)
何人まで受け入れられるか
訪問介護事業所であっても、特定技能外国人の人数枠は施設系と同じルールです。1号特定技能外国人の人数枠は、事業所単位で、日本人等の常勤の介護職員の総数を超えないこととされています。
登録ヘルパーなど非常勤の職員が多い事業所では、常勤の介護職員数が枠の上限になる点が施設系より早く効いてきます。募集人数を決める前に、事業所ごとの常勤介護職員数を確認してください。
▶ 常勤換算ではなく常勤職員の人数で数えること、技能実習生や留学生は「日本人等」に含まれないことなど、誰を数えて誰を数えないかの詳細は 介護で外国人を採用する方法|受け入れ人数の上限と在留資格の選び方の「自社は何人まで受け入れられるか」で解説しています。
出典:厚生労働省「介護分野における特定技能外国人の受入れについて(運用要領・別表)」(2026年9月20日取得)
受け入れ手続きの流れ
巡回訪問等実施機関は国際厚生事業団(JICWELS)で、事業所から提出された書類にもとづき、遵守事項(三①〜⑤)を実施する体制があることと、実務経験・書面説明(四①②)に対応することを事前に確認し、すべて確認できた事業所に対して、訪問系サービスに従事する外国人介護人材ごとに適合確認書を交付します(通知六)。
協議会加入・適合確認申請・定期報告のポイント
協議会加入。介護分野の特定技能外国人を受け入れる場合、在留諸申請の前に「介護分野における特定技能・育成就労協議会」(旧称:介護分野における特定技能協議会。令和9年5月31日までの入会・更新分は旧名称の証明書が交付されます)に加入し、入会証明書の発行を受ける必要があります。すでに施設系で特定技能外国人を受け入れている法人でも、訪問系に従事させる事業所の情報が登録されているかを確認してください。
適合確認申請。申請は、厚生労働省ホームページ上の「介護分野における特定技能協議会申請システム」から行います。主な提出書類は、訪問系サービスの要件に係る報告書(事業所ごと)とその内容を確認できる挙証書類(ハラスメント対応マニュアル、緊急時マニュアルなど)、キャリアアップ計画(外国人介護人材ごと)で、研修プログラムやOJT資料は任意提出です。最新の様式と一覧は申請前に国際厚生事業団のページで確認してください。前章までに整えた書類がそのまま提出物になる構成です。
従事開始のタイミングが最大の注意点です。国際厚生事業団の案内には「適合確認書の発行を受けていない特定技能外国人は、訪問系サービス(同行訪問含む)に従事することはできません」と明記されています。同行訪問も従事に含まれるため、適合確認書が届く前に「見学だけ」「同行だけ」と先行させることはできません。
定期報告。適合確認書の交付を受けた事業所は、外国人介護人材ごとのキャリアアップ計画(評価期間1年)について、評価期間が終わるたびに次の期間の計画を新たに作成し、前の評価期間の終期から4か月以内に巡回訪問等実施機関へ提出します。この提出がされない場合、遵守事項を満たさないと判断されることがあります。また、協議会申請システムへの外国人情報の登録は受け入れた日から4か月以内です。
巡回訪問。適合確認書の交付後も、遵守状況は巡回訪問等を通じて確認されます。事業管理者、サービス提供責任者、外国人介護人材本人などから聞き取りが行われ、適切な履行が確認できない場合は指導が入ります。指導を通じても改善が見込まれない場合、厚生労働省と協議のうえで適合確認書が取り消され、特定技能の場合は協議会の脱退手続きが進められます。この手続きで強制的に脱退となった法人は、脱退の日から5年間は協議会に加入できず、介護分野で特定技能外国人を受け入れられなくなります。訪問系に限らず、法人全体の特定技能受け入れに影響する処分です。
▶ 特定技能全体に共通する支援計画の10項目や入管への定期届出は 特定技能「宿泊」の受け入れ完全ガイドで解説しています。
出典:厚生労働省「外国人介護人材の訪問系サービス従事における留意点について」六、同「介護分野における特定技能外国人の受入れについて(運用要領・別表)」、国際厚生事業団「介護分野における特定技能協議会への手続き」、同「適合確認申請方法・提出書類」、厚生労働省「介護分野における特定技能外国人の受入れについて」(定期報告・外国人情報の登録)、同「Q&A」問6(いずれも2026年9月27日取得)
課題とその対処
- 利用者・家族からのクレームや受け入れ拒否。事前の書面説明と署名が制度上の要件になっているのは、この不安に対する備えでもあります。説明の場では「外国人だから」ではなく、初任者研修の修了と実務経験、同行訪問を経ていること、緊急時の連絡先を具体的に伝えると、受け止めは大きく変わります。訪問先の選定を丁寧に行い、受け入れに前向きな利用者から始めるのも通知が認める進め方です。
- 同行訪問の人手と期間。同行訪問はサービス提供責任者や先輩職員の時間を使います。実務経験1年以上の人材なら期間は事業所の判断で設計でき、1年未満でも週3回以上の利用者なら最低2か月です。同行の負担を見込んだうえで、最初に担当する利用者を選ぶと計画が立てやすくなります。
- 採用コストと体制整備の両立。研修プログラム、マニュアル類、ICT機器と、訪問系の受け入れには準備の費用と工数がかかります。採用の入口で紹介手数料に費用を使うと、体制整備に回す予算が削られます。ArigatoJobsのような掲載費・成功報酬のかからない媒体で母集団を確保し、浮いた費用を同行訪問や研修の体制に回す配分が、訪問系ではとくに合理的です。
よくある質問(FAQ)
まとめ|要件を満たす人材を採れれば、例外措置に頼らず進められる
特定技能外国人の訪問介護への従事は、令和7年4月21日から可能になりました。対象は介護保険の訪問系サービスで、訪問介護・定期巡回・夜間対応型・第一号訪問事業の4つでは、外国人本人に介護職員初任者研修の修了と原則1年以上の実務経験、事業所に研修・同行訪問・キャリアアップ計画・ハラスメント対策・ICT環境整備の5つの遵守事項と、利用者・家族への書面説明が求められます。訪問入浴介護は複数人で提供するサービスとして別扱いです。
同行訪問の期間は、実務経験1年以上なら事業所の判断、1年未満なら週の提供回数に応じて最低2〜6か月で、後者には在留資格で求められる水準より高い日本語能力(日本語能力試験N2相当など)も必要です。従事の前には、国際厚生事業団への適合確認申請と適合確認書の交付が必須で、同行訪問もその後に始めます。
要件を満たす人材、つまり初任者研修を修了して介護事業所等で1年以上働いた特定技能人材を採用できれば、例外措置に頼らずに受け入れを進められます。ArigatoJobsは掲載費・成功報酬・初期費用なしで、こうした人材に多言語で求人を届けられる求人サイトです。体制整備と並行して、まず無料で募集を始めてみてください。
参考資料(一次情報)
- 厚生労働省 外国人介護人材の訪問系サービス従事における留意点について(社援発0331第40号・老発0331第12号)(PDF)
- 厚生労働省 外国人介護人材の訪問系サービス従事における留意点について Q&A(PDF)
- 厚生労働省 外国人介護人材の訪問系サービスへの従事について(解説ページ・様式)
- 厚生労働省 介護分野における特定技能外国人の受入れについて(運用要領・別表)(PDF)
- 厚生労働省 介護分野における特定技能外国人の受入れについて
- 厚生労働省 介護テクノロジー導入支援事業(地域医療介護総合確保基金)(PDF)
- 入管庁 介護分野における特定技能の在留資格に係る制度の運用に関する方針(別紙1・令和8年1月23日閣議決定)(PDF)
- 入管庁 特定技能ガイドブック〜特定技能外国人の雇用を考えている事業者の方へ〜(PDF)
- 入管庁 育成就労制度の概要(PDF)
- 国際厚生事業団 介護分野における特定技能協議会への手続き
- 国際厚生事業団 特定技能外国人の訪問系サービスへの従事について(適合確認申請方法・提出書類)
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